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コロナ雑感:かかっても重症化しないために(6/8)

 今回から、「コロナ雑感」として、不定期で発信していきたいと思います。

 まだまだ騒がれてはいますが、一応COVID-19流行は収束傾向にあります。東京都、北九州の発生報告はありますが、PCR検査で陽性になった6/7までの国内累計17174人中、すでに15139人が退院され、現在の感染者数は1086人と明らかに減っています。千葉県では、6/7現在の感染者数は24人、重症者は4人とかなり減少し、COVID-19受入れのため緊急事態だった県内の重症者受入れ病院も、徐々に通常診療体制に戻りつつあるようです。また、最も懸案の東京都でも、6/7現在の感染者数363人中、重症者は26人と、新宿歓楽街での発生の問題はありますが、こちらも減っているのは明らかです。

 また、これまでの死亡者数は916人となっています。ちなみに、死亡者数、致死率とも、アジア諸国が欧米よりも明らかに低いのですが(原因は諸説あり)、実はアジア諸国の中で、人口10万人当たりの死亡者数は、日本はフィリピンに次いで2位と、決して優れているわけではないのです。この原因もいろいろあるでしょうが、日本のトップの方が誇るべきことではなかったのです。(ちなみに日本の治療に従事している医者は優秀です。)

 さて、現在に至るまで、「COVID-19にかかったら大変だ!」と、怖れている方は多いと思います。それは当然ですが、見方を変えてみることも大切です。というのは、「かかりたくない!」とただ怖れるだけでなく、「かかっても大丈夫!」な日常生活を考えてみることです。現在、「新しい生活様式」なる指針により、我々はがんじがらめの生活を余儀なくされ、ストレスがたまる一方になっています。指針の解釈については、前回述べましたが、今回強調したいことは、「かかっても重症化しないような生活習慣を送る」ということです。

 これには、重症化のリスクを把握しておくことです。まず、当然ですが、年齢はリスクの筆頭で、高齢になるほどリスクは上がりますが、これは残念ながらどんな疾患も同じで、人間の宿命です。しかし、高齢の方でも、全員が重症化になっているわけでありません。80歳台でも、軽症の方は約7割はいらっしゃるのです。50歳未満では約98%が軽症です。目安としては、65歳以上が重症化リスクとなっています。また、男性が女性よりも重症化しやすい「傾向」はあるようですが、年齢、性別は厳然たる事実ですので、これはおいておきましょう。

 では、変えられるものは何か、というと、まず肥満と喫煙です。これは改善可能なリスク因子です。

 肥満というと頭が痛い方もおられると思いますが、肥満になると糖尿病、高血圧になりやすくなります糖尿病、高血圧は重要な重症化リスクです。従って、減量すれば、糖尿病、高血圧の改善も得られて、リスクは益々減ることになります。また、COVID-19ではウィルス性肺炎から重症化するわけですが、肥満の方の呼吸器合併症の管理は、非常に難渋します。寝ている状態で太ったお腹が肺を圧迫していることだけでも、管理上大変なリスクです。この自粛・巣ごもり生活で、体重が増加してしまったという問題は、当院外来でもよくあることですが、これは欧米でも問題になっているようです。せっかくの自粛生活も、その間に体重が増加してしまっては、自粛してリスクを上げていることなってしまうという逆効果になっていると言わざるを得ません。これから、テレワークなど在宅での仕事が多くなる方は、これを機に運動の時間を設けて、減量目的だけでなく、体を鍛える時間を作りましょう

 また喫煙については、「禁煙外来」なる治療方法もありますが、人間その気になれば、禁煙できる方も、意外に多いように見受けます。当院の患者さんでも、自分だけでなく家族の健康問題などで、意を決して禁煙できたという方が時々いらっしゃって、こちらが「え?出来たんだ!」と驚くことがあります(もっと早くやめれば良かったのにとも思いますが・・・)。しかし、どうしても出来なければ、それはニコチン依存が進行している可能性があるので、内服あるいはニコチンパッチの治療、どちらかを試す価値はあるでしょう。一般には、内服薬治療が主体で、薬が頭のニコチン依存の回路に介入して、ニコチン依存欲求を減らして禁煙を達成するという治療です。全部で12週間の治療になりますが、初回治療の禁煙達成率は3-4割程度です(2-3回のトライで達成できる方もいます。しかし、この治療は初回治療日の1年後でないと保険治療が出来ません)。また、内服中は、眠気を招くこともあるので、車の運転をしないという制限があるのが難点です。そのような方には、ニコチンパッチという、ニコチン含有のシールを体に貼付し、少量ニコチンを体にいれながら、煙草を手にとってふかす習慣をなくしつつ、徐々にニコチン含有量を減らして、禁煙に向かうという治療もあります。どちらが良いかは、車運転の兼ね合いもありますが、車の問題がなければ、内服治療の方が効果はあるように思います。また、再喫煙のきっかけは、ほとんどが「飲み会」ですが、現在は「飲み会」も自粛なので、禁煙開始には都合が良い時期かもしれません。

 糖尿病、高血圧については、減量、運動を含めた生活習慣の改善で、数値の改善効果が期待できますが、並行して数値のコントロールも重要です。現在の投薬治療に加えて、再度生活習慣を見直し、原疾患をより改善させることが、COVID-19に罹患しても重症化しないことに繋がります。

 また、気管支喘息やCOPDの持病があり、吸入薬を主体とした継続治療をされている方は、怠ることなく治療継続して、気道過敏性を減少させて肺機能を保っておくことが重要です。軽症の気管支喘息や時々咳喘息を発症する方のリスクは高くはないですが、やはり肺の状態を安定させておくことは重要です。また、気管支喘息やCOPDで喫煙は言語道断!肥満も原疾患のリスク悪化原因です。

 こうしてみると、COVID-19にかかっても重症化させないことは、「風邪を引いても悪化させないこと」と全く同じです。普段からこのような習慣づけをしておくことで、インフルエンザも含めたウィルス感染症に罹患しても重症化せず、さらに持病の生活習慣病も改善することになります。結局、普段からよく体を動かして、不摂生をしないことが、風邪を引かない=COVID-19にかかっても重症化しない、ことに繋がるという、至極当然のことなのです。

 今回のコロナ禍を機に、ただむやみに怖れているだけではなく、正しく怖れながら、自分の生活習慣を見直すことが、非常に重要だと感じます。