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現在の流行(3/31)

インフルエンザ、COVID-19感染症は、全国的に減少傾向ですが、この時期になっても、インフルエンザは例年より多い状態です。3月は寒い日が多く、寒暖差もあり、咳喘息や気管支喘息発作は多くみられました。花粉症は、スギが収束に向かい、ヒノキがGW明けまで続きます。

 直近のCOVID-19感染症とインフルエンザの発生数は、千葉県では約1:3の比率です。COVID-19感染症の発生は、今後も波がありながら、なくなることはないでしょうが、ほとんど軽症で、普通の風邪ウィルスと変わらない経過です。インフルエンザは、コロナ禍以前のこの時期と比べると、発生数は多くなっています。主体はB型インフルエンザですが、時々A型インフルエンザも出ています。現在春休みですが、つい先日までは中学~高校での学級閉鎖がありました。現在もティーンエイジャーの感染者は受診されています。4月以降はさすがに収束傾向に向かうと予想されますが、まだしばらく注意が必要です。

 この3月は2月より寒い日もあり、体調を崩される方が多く受診されました溶連菌感染症もまだあり、胃腸症状を悪化させる方もおられました。インフルエンザもCOVID-19感染症も、最も悩まされるのは咳の遷延です。ぜーぜーしていなくても、感染後咳が夜もとまらない、会話で悪化する、呼吸困難感があるなどの症状はほぼ「咳喘息」です。このような症状になるといわゆる「咳止め」は無効です。よく「咳だけ止めてもらえれば・・・」「咳止めを下さい」と言われますが、この症状は案外厄介なのです。咳だけ残っているのは、後遺症であり、病気が治癒していることではありません。感染後の咳の遷延は、もちろん以前からあったのですが、「咳喘息」という概念が定着する前は、「今年の風邪はしつこい」と言われ、学校や会社にはゴロゴロいました。だいたいが、咳止めや風邪薬をとっかえひっかえ服用しながら、数か月続きました。

 しかし、このように咳だけ継続するのも「喘息」の一種で「咳喘息」とされ、気管支拡張薬と吸入ステロイドが混合された吸入薬が有効という概念が定着してから、治療方法は一変しました。この吸入薬治療で、有効性はかなり高くなったのですが、それでもその人の体調、疲労度やアレルギー体質の程度によって、治癒過程はかなり変わります

 鼻にアレルギーを有する人は、同時に肺の気道のアレルギーを合併していることが多いので、ウィルス感染症によって鼻炎だけでなく、咳が悪化してきます。例えれば「肺のくしゃみ」と言えます。ですから、慢性アレルギー性鼻炎や花粉症がある場合は、鼻炎と咳が同時に悪化します。その場合は、鼻炎の治療もしっかり行わないと、咳は改善しません。現代は、アレルギー性鼻炎を有する人が多いため、このような方は多くなります。慢性アレルギー性鼻炎の方は、普段から鼻炎のコントロールをしておくことは重要です。

 また、感染症に罹患する場合は、その時点で疲労、ストレスが蓄積していることが多く、その疲労度や体力は回復にかなり影響します。メンタル的な要素も非常に重要です。精神的にいろいろ滅入っている程度が強いと、なかなか改善しません。4月は学校や職場の環境が変わる、あるいは産休明けで勤務を再開する方も多いので、注意が必要です。特に、産休明けで、まだ小さいお子さんの子育てをしながら、勤務を再開すると、自分の体力がまだない、あるいは子供からすぐ風邪をもらうなどで、体調を崩すこと多く、咳も難治になりがちです。咳を治すには、薬も必要ですが、「しっかり休む」ことが何より大切です。

 咳喘息では、吸入薬だけでなく、漢方薬の併用も有効なことは多いのですが、症状によっては向精神薬の投与が必要なこともあります。普段から「心身の安定」が如何に大事であるかを認識させられます。

 花粉症は、これからGW明けまでヒノキ、その後夏に向かってイネ科の花粉症の時期ですが、これらも咳喘息を誘発する原因になるので、注意しましょう。

 四季の変化が強い日本に住む私たちは、天候に順応して生活していくことが非常に大切です。天候に私たちは影響され、体も変化していきます。普段から自分の体は自分で守る努力が必要です。それは、季節に沿った食事を含めたライフスタイルを送ることであり、持病のある方は、基礎疾患をしっかり管理しておくことです。感染予防あるいは少しでも後遺症などを残さないようにするには、それ以前の自分の健康管理が最も重要です。

 食生活と運動は特に重要です。食生活では、寒い時期には「体を冷やす」食事は出来るだけ避けるようにしましょう。甘いものの過食や飲酒過多も体を弱らせます。寒いと戸外での運動はどうしても億劫になりがちですが、室内でも出来る運動は色々あります。マット1枚あれは、体操やストレッチ、軽い筋トレはすぐ出来ます。毎日10-15分で良いので、仕事とは別に体を動かす習慣づけをしましょう。

 これからは暖かくなる日も多くなるので、積極的に戸外に出るようにしましょう。日光を浴びることも重要です。しかし、まだ体が暖かい日に順応していないと、春先から初夏でも、思わぬ脱水症や軽い熱中症になることもあるので、注意しましょう。

 むやみにマスコミの報道に煽られずに、自ら日常生活を見直し、感染症に負けない体づくり及び生活習慣を心がけてください。以前から強調していることですが、COVID-19もインフルエンザもワクチンを接種したらOKではありません。これはあくまで補助的手段です。ストレスや疲労をためない工夫をしながら、心を病まずに出来るだけ楽しい日常生活を送るように努めることが何より大切です。