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現在の流行:COVID-19も含めて

COVID-19の拡大が報道されていますが、COVID-19以外の感染症も多いことを勘違いしないようにしましょう。5月に入ってから天候の変化が著しく、咳喘息や喘息発作が非常に多くなっています。花粉症はこれからイネ科へ移行しますが、咳喘息の誘因になります。

 千葉県におけるCOVID-19新規感染者は、4月中旬以降、上下を繰り返しながら、1週間単位の平均感染者数ダラダラと上昇傾向で、直近1週間は150人弱となっています。盛んに変異株のことが取り上げられていますが、いわゆる英国株、インド株も、国外から持ち込まれたことには変わりなく、水際対策の責任は問われるところです。しかし、3月から4月に宮城県で一時急激に増加した感染は、国内での変異株だったようです。また、昨年春に東京発で爆発した感染も、都内新宿辺りで発生した変異株が原因であり、COVID-19ウィルスは、常に変異を繰り返しています。変異が、既存のウィルスと比べ感染力が強ければ、置き換わっていくのは当然です。大阪を主体とした関西圏では、インド株が優勢ですが、4月に爆発的に増えた大阪府では4月末をピークに感染者数は減少傾向、隣県の兵庫県も同様の傾向です(京都府は絶対数は両府県より少ないものの、まだ高止まりです)。今後しばらくは、国外からの変異株の周辺拡大や、国内における感染力の強い変異株の出現により、一時的にある地域で感染者数増えて、1か月くらいで低下してくることを、繰り返していくかもしれません。しかし、その間にワクチン接種が進んで、感染爆発が徐々に抑制されるとことを期待するところです。

 COVID-19ワクチン接種は、本日(5/17)から当院でも開始されました。国は1日のワクチン接種数を増やそうと躍起になっていますが、拙速な接種は考えものです。インフルエンザワクチンの国内1日平均接種数が60万人なので、COVID-19ワクチン接種は1日100万人と、大雑把な目標を掲げていますが、そもそもCOVID-19ワクチンは誰でも、3週間ごとに2回の接種ですから、インフルエンザワクチンの倍の手間がかかります。また、これまで経験のないワクチンを接種するわけですから、安全性の確認が重要です。特に、接種後アナフィラキシー反応が起きるリスクが、インフルエンザワクチンなどよりやや高いので、接種後15分は院内で待機をしていただかないといけません。待機の方も含めると、院内は混雑することになります。また、ワクチンの保存方法や溶解方法などが、かなり煩雑であるため、医療従事者の「慣れ」も必要です。COVID-19ワクチンを早く接種したい方がいらっしゃるのは十分承知しておりますが、インフルエンザワクチンのように、1日に多くの方に接種できるわけではないことを、何卒ご理解願います。

 以前から繰り返し述べておりますが、現在非常に問題なことは、1年にわたるコロナ自粛や在宅勤務の影響で、運動不足による体重増加、生活習慣病の悪化です。この影響は、免疫力にも関係します。日頃運動をよくしている人は、コロナ重症化が低いことが指摘されています(当然のようには思えますが・・・)。うまく時間を利用して、人混みに行かなければ問題ありませんので、戸外また室内での運動を積極的にしましょう。日光を適度に浴びることは、ビタミンDを産生させるためにも重要です。ビタミンDが少ない人は、重症化リスクが高まるとされています。

 初夏は、気温だけでなく、湿度も上昇して、体調の維持が難しい季節です。また、この時期は例年各種ウィルス感染症が発症しやすくなります。実際の臨床の場では、COVID-19を疑っても、実際にはCOVID-19以外の感染症の方が多いことも事実です。「発熱=COVID-19」ではありません。最近、具合が悪い時に市販のCOVID-19の検査キットで自己判断している方がおられますが、COVID-19以外の感染症で悪化してしまうこともあるので注意されてください。普通の感冒や細菌性の咽頭炎・扁桃炎・肺炎や腎盂腎炎などもあります。

 COVID-19ワクチンについてのスケジュールなどについては、別項「COVID-19ワクチンの現状について」に記載してありますので、ご参照ください。

 花粉症はこれからイネ科の花粉へと移行します。イネ科花粉は、咳喘息の誘因になりやすので、注意が必要です。今年はCOVID-19の蔓延もあることから、外出時にくしゃみ、鼻汁が多いと、迷惑になります。当院でも花粉症の治療は行っています。メインは抗アレルギー剤投与になりますが、症状や体質によって、漢方薬の併用も有効です。また抗ヒスタミン剤で眠くなる方では、漢方薬が有益な場合があります。鼻炎がひどくなる前から、ステロイドの点鼻薬を開始しておくことは、悪化予防に有効です。アレルギーの点眼薬の処方も可能です。

 咳喘息は、喘息の持病のない方でも、天候の変化に加え、強い疲労の影響、ウィルス感染症などの罹患で、誰でも発症するリスクがあります。例年より一般の感染症に起因する喘息は減っていますが、特に今年は、自粛による運動不足や、自宅に籠っている時間が多いことが影響し、天候の変化に弱くなっているようです。発熱を伴わない、少なくとも2週間以上継続する咳、あるいは2-3日でも朝夜の咳込みの悪化や、呼吸困難に感じる場合は、咳喘息や喘息発作の初期が強く疑われるので、風邪薬を乱用せず、受診されることをお勧めします。特に慢性の喘息の方は、吸入を怠らないことが重要です。気道過敏性が高まったまま放置しておくと、ウィルス感染症や急な天候の変化で、喘息は急速に悪化します。

 COVID-19やほかのウィルス感染症に罹患しないため、あるいは罹患しても重症化しないためにも、単にマスク、手洗い、うがいの励行だけでなく、普段から日々の食生活・運動を含めた生活習慣の要素は非常に重要です。