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現在の流行:COVID-19も含めて(9/15)

 COVID-19新規感染症は、8月後半から減少に転じています。外来においても、発熱を主訴とする方も、かなり減っています。現在の当院では、COVID-19感染後の咳の長期化や倦怠感などの方が多くなっています。

  7月以降激増したオミクロン株BA.5を主体としたCOVID-19新規感染症は、現状収束傾向となっています。昨年夏においても、今回と感染数の規模は違いますが、やはり7月からデルタ株を主体とするCOVID-19感染が流行し、8月中旬にピークとなり、9月末にかけて収束し、感染数は約3ヶ月にわたり同じような山を描いています。昨年冬においては、COVID-19株は、オミクロン株へ置き換わり、12月末からBA.1を主体とする感染が流行し、2月初めにピークに達し、3月末にかけて減少していきましたが、それ以降はBA.2の変異株が、感染数が完全に収束せずだらだらと続き、7月以降BA.5の激増となりました。

 実際のところ、このまま収束していくかと思われたCOVID-19感染が、夏場にここまで激増するとは、専門家においても予想外だったと思われます(いろいろな理由づけはありますが)。私も同様です。ですから、今後冬にかけてどうなるかを予想することは、賭けみたいなもので、わからないといったほうがよいでしょう。しかし、これまでの経験、あるいはインフルエンザなどの流行からみると、流行しても必ず収束を迎えるというのは確かだと考えます。

 COVID-19が流行してから冬の2シーズン、インフルエンザが全く流行していませんが、インフルエンザが大変流行している時期は、果たして終わりがくるのだろうかと思えるほどですが、春になると急速に収束していきます。インフルエンザはコロナウィルスと同様、RNAウィルスという仲間です。厳密には、その中の分類では、また別の特徴を持っています。それは別として、特にインフルエンザのA型は変異を起こしやすく、数シーズンある型が流行します。それまでとかなり遺伝子型が異なるA型インフルエンザが新たに入ってくると、症状がそれまでより重くなりがちで、感染数も増加するというサイクルを繰り返しています。

 この2年半にわたって流行しているCOVID-19、正式にはSARS-CoV-2と命名されていますが、この期間に、武漢株(武漢由来の野生株、欧州由来の欧州株)に始まり、アルファ株、デルタ株、オミクロン株へと置き換わり、さらにオミクロン株もその中でBA.1→BA.5と変異したものが順次流行し、結局2022年は、ずっとオミクロン株に悩まされているという事態になっています。コロナウィルスは常に変異を生じていますが、今後感染力や致死率が激変する型が出現するのか、あるいはこのままオミクロン株がこれまでの旧型コロナウィルスと同様に通常の風邪ウィルスとして残っていくのか、現時点では不明です。

 現状流行の主体のオミクロン株BA.5の感染力は高くなっていますが、致死率はこれまでの株よりも低下しているのは事実です。しかし、インフルエンザと比べるとまだ致死率は高く、特に高齢者や免疫弱者での致死率が高い傾向となっています(それでも普通に生活できている高齢者はほとんど回復します)。インフルエンザは初期治療薬がありますが、COVID-19のそれはまだ確定されていないのも問題とされています。

 しかし、インフルエンザと比べると、現在のオミクロン株の治療は対症的な治療ですむことがほとんどで、抗ウィルス薬を投与するとしても対象は限られるように思われます。また、デルタ株のように初期から急速なウィルス性肺炎を呈することはなく、重症化に至るのは持病の悪化や、高齢者の衰弱の進行です。ですから、現在は過剰の怖がるような感染症でなくなっています。

 インフルエンザでも同様ですが、感染後普通におきる合併症は咳の遷延化です。これはその人の体質による場合が多く、花粉症などのアレルギーを持っている方や、風邪をひくといつも咳が長引くような方は、まず発症しやすくなります。これは咳喘息と診断されることが多く、吸入薬を主体する治療をすれば改善します。吸入薬の選択も重要であり、また吸入薬だけでなく漢方薬を併用することでより速やかに治ることがあります。単に咳止めでは無効なことが多く、特にコデイン薬を使うことは勧められません

 また、倦怠感が続く、微熱っぽい感じがとれないなどもよくある症状ですが、これは西洋薬では対症できず、やはり漢方薬が有効な場合が多いです。しかし、このような症状はほかのウィルス感染症でも起きることです。今回の爆発的流行が、蒸し暑い夏場に起きたことは、特にダメージを与えたのではないかと考えます。

 前述しましたが、来る冬はインフルエンザが流行する可能性は極めて高いと予想されています。その理由は、南半球のオーストラリアでこの冬(日本の夏)に流行しているからです。COVID-19と同時流行するのか、あるいはインフルエンザが優位に流行するのか、わかりません。割合は極めて低いですが、両方同時に罹患することもあるようです。

 我々はウィルス感染症とは縁は切れません。視点を変えると、ヒトはウィルスが増殖する乗り物であり、世界はウィルスのためにあるのだ!という考え方も出来るようです。そもそも昭和初期までの主たる死因は、肺炎、胃腸炎、結核などの感染症で、平均寿命は40-50歳です。その後抗生物質などの出現で、細菌性感染症が治療可能となり、死因のトップはしばらく1950年頃(昭和20年代)まで結核です、その後、生活が豊かになり、抗結核薬の進歩も相まって、結核は激減、1950年代以降、平均寿命は急速に上がり、令和3年度の平均寿命は男性81.47歳、女性は87.57歳です。尚、現在の死因のトップは、がんなどの悪性新生物です。

 生活が豊かになり寿命も延びてくると、生活習慣病に陥りやすく、一方感染症に弱くなります。高齢になると免疫力が低下していくことは避けられない事実ですが、生活習慣病が持病になることを回避する生活をしていけば、感染症の悪化から免れます。また、若い年代でも、これらが持病になると同年代の健常者より確実に免疫力は低下します。これまでのコロナ禍で再認識されたことはこの事実です。過剰に怖がらずに(ただマスク、アルコール消毒をしていればOKではない、ワクチンも同様)、この事実を改めて認識し、生活習慣病の予防も含め、食事内容に注意を払い、運動不足に陥らないようにしながら、何より楽しく日常生活を送ることが最も重要です。またマスコミの過剰な報道に煽られず、慌てずに日常生活を送りましょう。心を病まないようにすることは極めて大切です。これから冬に向かい、体調を整えていくように心がけましょう。