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コロナ雑感:いわゆる「第二波」の現状は・・・(9/7)

 4/7から5/25まで続いた緊急事態宣言により、いったん拡大が落ち着いたCOVID-19感染症は、7月初めから一転してPCR陽性者数は増加となりました。前回も記載したように、今回の拡大の起因は、都内新宿辺りで変異したタイプが一気に拡散したものと推測されていますが、新規のPCR検査陽性者数は、8月初めをピークに減少に転じていますYahooなどのCOVID-19関連サイトに出ていますが、新規のPCR陽性者数の棒グラフを繋げてみると、凡そ左右対称の釣鐘型の正規分布曲線という形になっているのがわかります。新規感染者数では、3-5月の数よりも、今回の数の方が上回っていますが、これは単純に比較できません。前回は、PCR検査数の適応がかなりしぼられていましたが、今回はPCR検査の適応をかなり拡大しているため、軽症者がかなり拾われ、若年層の陽性者が多くなる傾向にありました。

 また、流行拡大の目安として「実効再生産数」という「1人の感染者が、平均して何人に感染させるか」を表す指標があります。当然1人が1人以上に感染させているのであれば、伝染性が高く、1人未満であれば、伝染性が低いことになります。はしか(麻疹)や百日咳ではこの数値は非常に高く、麻疹が12-18、百日咳が12-17程度であり、この値は空気感染が起きる数値のようです。インフルエンザについては、一般に1-3程度とされ、飛沫感染が主たる感染経路の数値になります。インフルエンザも伝染力が低下して、流行が収束してきている時期には、1を切ってきます

 COVID-19の実効再生産数については、1.5-5.5程度のようですが、これを今回の日本の流行で追ってみるとどうなるのか、東洋経済オンラインの「新型コロナウィルス 国内感染の状況」で確認することができます。この数値は3月から4月中旬にかけて高くなり、全国平均では、4/3の2.27が最大、東京都では、3/29の3.62が最大です。その後、全国平均では、5/11に0.5まで、東京都では、5/13に0.39まで低下しました。5月末以降再上昇に転じますが、全国平均では7/4に1.86まで、東京都では5/30に1.8まで上昇し、9/5現在では、全国平均で0.82、東京都で0.81となっています。ちなみに千葉県では9/5現在0.82です。収束の目安としては、0.5未満となりますが、少なくとも、現在収束傾向にあることがわかります。また、新規感染者数の波は、7月以降の方が高いですが、「実効再生産数」でみると、今回の方が最大値は低いこともわかります。

 また、9月初めの専門家会議の報告では、5月と8月の致死率を比較すると、全年齢で、8月の方が6.3%低い0.9%、70歳以上では、17.4%低い8.1%と報告しています。この理由として、高齢者を含め軽症者が多かったことや治療方法の改善などを上げています。しかし、重症者における人口呼吸器の装着数をみると、前回の波では、4月末に最大約300人まで増え、7月初めに約50人まで低下。その後上昇し、8月半ばに約200人まで上昇、現時点でも170-180人はいるようです。

 一応、3月~5月にかけての波を「第一波」7月から現在までの波を「第二波」としますと、今回はPCR検査を拡大したこともあり、新規陽性数は前回を上回っていますが、「実効再生産数」や「致死率」を照らし合わせると、「第二波」の方が感染は穏やかになっているように思われます。また、今回は「第一波」と異なり、緊急事態宣言のような強い自粛から、行動制限をかなり緩めての結果であることから、徐々に行動制限を緩めてきても、前回以上の感染拡大の増悪はなかったように思われます。

 私の印象ですと、政府は、ある程度の感染者が出るのは止むを得ないとしながら、徐々に行動制限を緩和していく方向に舵を切っているように感じます。今回の「第二波」はいったん収束していくと予想されますが、今後冬にかけてCOVID-19がどのような展開になるのかは、明確には予想できません。

 しかし、これまでの経過からすると、この冬もある程度の自粛の元では、惨事にはならないような兆しは出ていると感じます。このような中で、私たちは、すでに言われている最低限の予防策を講じつつ、特に高齢者に対する配慮をしながら、過度に恐れず、しかし油断しないように行動することが重要です。

 現在当院外来での印象では、コロナ自粛に加え、7月の長梅雨、8月の猛暑、在宅勤務などで、運動不足による弊害が出ている方が、非常に多くみられています。以前も記載しましたが、巣ごもりで、運動不足、体重増加になることは、かえって免疫力を低下させていることになります。本来、人間は活動しながら、何らかの風邪ウィルスの感染に暴露されながら、知らないうちに免疫力を強化していった方が良いという考えもあります。巣ごもりによる運動不足、体重増加で免疫力を低下させたままだと、今後秋から冬に、風邪にかかりやすくなり、その中にCOVID-19も含まれる危険性もあるので、今後自宅でも可能なトレーニングや、涼しい時間帯にはウォーキングなどを積極的に取り入れていくことは非常に重要と考えます。

 尚、国立国際医療センターの国際感染症センター勤務で、COVID-19の最前線で治療にあたっている忽那賢志医師の記事(https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/)は、非常に参考になりますので、ご参照されると良いと思います。