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コロナ雑感:現在の拡大状況をどう考えるか(8/3)

 前回7/6の投稿時から、PCR陽性者は加速度的に増加し、東京都から全国に拡大している様相です。COVID-19は、RNAウィルスに分類されますが、程度の差はあれ変異を起こしやすいウィルスです。昨年末月から1月にかけては武漢由来のCOVID-19が、その後遅れて武漢から欧州に広がって変異した欧州由来のCOVID-19が国内に流入したと考えられています。現在、海外からの流入は途絶えていますが、現在国内で拡大しているCOVID-19は、都内新宿辺りで変異したタイプのCOVID-19が、一気に拡散したと、専門家は考えているようです。東京都のPCR検査陽性率は、全体で6.5%ですが、新宿での陽性率は約30%と未だに高くなっています。また、現在は都内全体より、大阪、愛知の陽性率が高くなってきている傾向にあります。

 また、7月の都内PCR陽性者数は6466人(7/1-31)でした。一方、重症者数は7/1時点で10人、7/3022人と上昇しましたが、7/31時点では16人と減っています(7/29-31の間に4人亡くなっています)。7月中に7人が亡くなられていますが、この方々が7月以前に入院したのか、7月に診断された方なのかは不明です。重症者が7月に最大12人増えたと仮定すると、7月のPCR陽性者数のうち重症者は12/6166人で0.19%、約.0.2%の発生率と大雑把に推定されます。当初はPCR陽性者のうち、約20%が重症者と推定されていましたが、現在はその1/100まで減っていることになります。これは、以前は37.5度以上が4日間継続しないとPCR検査が受けられなかったのが、現在はその基準が取り払われ、もっと多くの方がPCR検査を受けているので、以前は診断されなかった軽症者が多く診断されていることにも関係していますが、やはり絶対数からいうと重症者は4月の頃と同じようには増えていないと考えられます。

 このことからCOVID-19が弱毒化しているとは断定出来ないとの専門家の意見はありますが、少なくとも強毒化はしていません。また、前回も書きましたが、一般的には強毒・致死的なウィルス感染症でなければ、ウィルス感染症は人間に寄生して増殖するために、「感染力:人から人へ移る強さ」は増しますが、「毒性:人を死に至らしめる力」は弱まっていく傾向にあるようです。海外の文献でも、最近変異しているCOVID-19は、コロナ表面の人の細胞に接着する突起物(スパイクと呼ばれる)の強さ、すなわち感染力は高まっているが、毒性は減弱しているようだとの報告があります。

 また、すでにご存じの方もいらっしゃると思いますが、8/1付けの新聞報道では、東京都が都内における6月末までの感染者6225人と死亡者325人の分析結果を報告しています。死亡者の平均年齢は79.3歳で、感染者全体の死亡率は5.2%で、8割以上が70代以上に集中していました。年代別では、90代以上が34.8%、80代が30.2%、70代が17.0%であり、50代では1.8%、40代で0.5%、20-30台では0.1%でした。また、死亡者325人のうち、51.7%が医療機関内や福祉施設内での感染であり、発症から死亡までの平均日数は17.1日、院内感染に限ると14.6日と短い傾向にありました。また、死亡者の198人(60.1%)には、糖尿病、高血圧、腎疾患など基礎疾患があったとのことです。(https://www.asahi.com/articles/photo/AS20200801001547.html?oai=ASN815QFKN81UTIL003&ref=yahoo

 以上の事実からは、「現在の蔓延はウィルスの毒性が強毒化したわけではなく、感染力が強まったためと推定される。悪化する年代は70代以上に集中していて、医療機関や福祉施設での蔓延が問題となっていることから、高齢者へのケアが重要である」と考えられます。

 また、現在COVID-19は「2類指定感染症」となっているため、診断された患者さんは、法的に入院隔離措置となり、指定された医療機関のみでの治療と定められています。ですから、感染症指定医療機関は(ほとんどの病院は普段はそのような感染症は受け入れていない)、入院のためのベッドを確保しなければならず、そのため通常の診療・手術が出来なくなってしまうという事態に陥っています。これがいわゆる「医療崩壊」です。ですから、軽症の患者さんのために、全ての入院は確保できないため、ホテルでの隔離療養が確保されていますが、現実には自宅療養の方もかなり多いようです。今後、このような医療崩壊を継続させないために、指定感染症の見直しも視野に入れないといけないのではないかと考えられます。

 このような事態の中、「GO TOキャンペーン」が始まり、拡大を悪化させるとの批判も多くなっています。しかし、現実には経済は停滞しており、一方前述したCOVID-19の感染状況の特徴から、経済活動は本当に無理なことなのか、現実に即して対応しないと、COVID-19で亡くなるより、経済死、自死などが増えていってしまう懸念があります。

 100点の解答はないと思われますが、為政者が国民に遍く情報公開をした上で、どのように考えているのかメリットデメリットを挙げた上で、どういう方針でいくのかを、しっかり明かさないと、国民は精神が病んでいくだけで、路頭に迷うばかりと考えます。

 8月は、今後果たして重症者が増えていくのか(若年層にも重症者が増えると確実に強毒化していることになります)、PCR陽性者数は、まだまだ右肩上がりで増加していくのか、を占う上で重要な1ヶ月になると思われます。

 このような中でも、私たちは、すでに言われている最低限の予防策を講じつつ特に高齢者に対する配慮をしながら、過度に恐れず、しかし油断しないように行動するべきと考えます。

 尚、国立国際医療センターの国際感染症センター勤務で、COVID-19の最前線で治療にあたっている忽那賢志医師の記事(https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/)は、非常に参考になりますので、ご参照されると良いと思います。