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新型コロナウィルス感染症:第13報(5/25)

 新型コロナウィルス感染症(以下COVID-19Coronavirus Disease2019))についての連日報道により、パニックになっておられる方も多くなっていますが、くれぐれも慌てないように行動されてください。

 いよいよ首都圏4都県(東京、千葉、神奈川、埼玉)、北海道で発令されていた緊急事態宣言も解除されそうです(5/25昼現在)。それ以前に、GW以降稲毛駅近辺でも人通りはかなり増えてきた印象があります。実際、当院でも5月に入ってからいわゆる「風邪症状」の方は、めっきり減っているので、さすがにCOVID-1流行もいったんは収束になると思われます。問題は特に秋以降、流行の再燃があるかどうかですが、この見通しは全く不明です。

 GW明けの緊急事態宣言の延長にあたり、専門家会議から「新しい生活様式」なる提言が出され、今後もこの様式を徹底するよう求められています。これは現在の一時的な様式なのか、まさか今後ずっとこの生活様式を遵守しないといけないのか、わかりませんが・・・ご存じの方も多いでしょうが、この様式の「一人ひとりの基本的感染対策」を抜粋すると以下の通りです。

 感染防止の3つの基本:①身体的距離の確保、②マスクの着用、③手洗い 

 ・人との間隔は、できるだけ2m(最低1m)空ける。

 ・遊びにいくなら屋内より屋外を選ぶ。

 ・会話をする際は、可能な限り真正面を避ける

 ・外出時、屋内にいるときや会話をするときは、症状がなくてもマスクを着用。

 ・家に帰ったらまず手や顔を洗う。できるだけすぐに着替える、シャワーを浴びる。

 ・手洗いは30秒程度かけて水と石けんで丁寧に洗う(手指消毒薬の使用も可)

  *高齢者や持病のあるような重症化リスクの高い人を合う際には、体調管理を厳重にする。

 以上にように厳格な指針ですが、現実に生活するうえで、これって本当に厳密に守れるでしょうか・・・

 まずマスク着用についてです。なぜ症状がなくてもマスク着用推奨になったのでしょうか?それは、COVID-19の特徴として、発症の2日前に感染性のピークがあるという非常に不気味なデータがあるからです。例えばインフルエンザは発症翌日くらいに感染のピークがあるのですが、COVID-19は症状が出るすこし前に人にうつしてしまう率が最も高いということです。またある論文では、人から人への感染は、

 ①発症前の時期が45%

 ②発熱や咳などの症状のある時期が40%

 ③環境(高頻度接触面など)を介した感染が10%

 ④無症候性感染者からが5%

と、推計されており、発症前の時期と無症候性感染者からうつるのが約半数とされているのです。これは非常に嫌なデータです。症状がある人がマスクをするのはわかりますが、「無症状でも知らないうちにCOVID-19を持っているかもしれないので、無症状でもマスクをしてください」、ということになってしまうのです。

 また、「真正面の会話を避ける」というのは、咳、くしゃみなどの飛沫だけでなく、会話でも同じように飛沫が出るので、正面からの会話を避けることで、自分から他者に飛沫を飛ばさない、また他者からもらわないようにするということです。さらにこの自分の会話による飛沫拡散はマスクで防御可能とのことです。しかし、それでもマスクによる完全な防御には疑問が呈されています。当然マスクの性能(フィルターの目の細かさなど)によって、自分からの飛沫拡散の予防あるいは他者からもらう防御効果は変わります。自分から他者に飛沫を拡散させない効果は、普通のマスクにはありますが、本当に他者から感染をもらわないようにするのであれば、「N95マスク」というマスクを装着しないと効果はないとされています。しかしこのマスクは日常我々が使えるものではなく、また長時間の装着で息苦しさが強くなるので、日常の装着には耐えられません。はやりのファッションマスクでは、製品にもよりますが、効果は落ちるでしょう。

 また、マスクの表面を触った手指で、口鼻眼を触れると、もしマスク表面にウィルスが付着していると、そこから感染してしまうことになります。ですから、マスクを装着していても、どのマスクを着けているか、マスク表面を触っていないかで、効果は全く変わってしまいます。当然、マスク表面を手指で触れて、マスクを着けたり外したりしていたら、手指が汚染されていることになってしまいます。ちなみにWHO(今回の件で信頼に疑問符はありますが)は、マスク着用は有症状者のみとなっています(追記:6/5WHOは、流行地では公共交通機関利用時など人同士の距離を取ることが難しい場合、他人に感染させないためにマスク着用を推奨すると表明しました)。

 また、人との距離の問題です。指針では、「できるだけ2m、最低1m」となっています。これは、咳やくしゃみで飛沫を浴びない距離を指していると思われます。また、COVID-19は空気中に飛んでから1mくらいで、表面の王冠の形をしたコロナの名前由来の突起が壊れて、感染力が低下するようです。しかし、この2mを厳密に守ったら、駅で人が混雑したら、もうホームから落ちてしまう!電車・バス内で保てるのか!高齢者の介護、保育時の世話、授乳などをすることは出来ない!話しかけながら介護も出来ない!理容店・美容院は?そもそも自宅ではどう暮らすのか!になってしまいます。外出時は、最低限マスクをして会話をしていなければ、少なくとも1m程度で十分と、私は考えます。それでも、自宅の過ごし方はどうするのでしょうか?

 このように「新しい生活様式」の指針は、ゼロリスクを目指しているので、厳密になっているのは仕方ないと言えますが、必ずしも現実の生活に沿っているわけではありません。また、性能の落ちるマスクでしかも表面をよく触っていたら、「なんちゃってマスク」になってしまいます。自宅で、マスクをはずして密で暮らしていれば、家族内感染のリスクはどうしても発生します。ですから、どうやっても、「なんちゃって予防策」にならざるを得ないのです。

 しかし、この指針の意味を出来るだけくみ取り、当面外出時はマスクをして、大きな声で騒がず、他者と出来るだけ密着しないように努める。また、マスクは絶対予防にはならないので、マスクに過剰な期待をかけず、それより手指をこまめにしっかり洗うことが重要です。特にこれから蒸し暑い季節がやってきます。これまで我々は、この時期にずっとマスクを着けてきた経験はありません。この時期にマスクをしていることで、かえって熱中症や気分が悪くなるなどの問題が出てくる可能性があります。人とあまり密着していない場所では、マスクをはずすなどすることも考慮に入れないといけないかもしれません。

 このような決まりごとがあると、いわゆる「自粛警察」もそうですが、ちょっとしたことですぐ人を責め立てる、他者をバイキンのように扱うなど、ギスギスした殺伐とした世の中になってしまうことを憂います。外出時すこしでも人に近づくと、大仰に避けられるのも・・・どうなんでしょうか?「大人の対応」で、人間社会を崩壊させないようにしたいものです。     

 尚、国立国際医療センターの国際感染症センター勤務で、COVID-19の最前線で治療にあたっている忽那賢志医師の記事(https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/)は、非常に参考になりますので、ご参照されると良いと思います。(今回の説明は、忽那賢志医師ブログの5/5版を非常に参考にしています)

 また、感染への不安、あるいは相談などは、下記電話窓口で相談可能です。Q&Aがホームページに用意されていますので、まずそれをよくご確認の上、お電話ください。(千葉市および県内の方は、1)が良いと思われます。)

1千葉県電話相談窓口:0570-200-613(24時時間対応) 

   https://www.pref.chiba.lg.jp/kenfuku/kansenshou/singata-koronauirusu-kannrennhaienn.html

または

2)厚生労働省電話相談窓口:0120-565653(土日祝日を含む9時~21時)https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html

 今後も、状況に応じて、また随時更新していく予定ですが、COVID-19がいったん終息したら、この報もいったん終わりになるかもしれません。